これまで脳を健康にする生活習慣の『話・食・動・眠』の中から順番に、『話』(会話・コミュニケーション)・『食』(食事・料理)・『動』(運動)の効用についてお話しさせていただきました。今回はいよいよ最後の『眠』(睡眠)の効用についてお話ししたいと思います。
気持ちよく眠るだけで、脳はどんどん健康になる!

皆さんは、1日平均何時間くらい眠りますか?
そして、ぐっすり気持ちよく、熟睡できていますか?
人は眠ることで身体の疲れやストレスを取り除き、生命を維持しています。そして、脳は、私達が眠っている間もずっと働いていて、脳の神経細胞ネットワークのメンテナンスをしたり、起きている間に得た情報や記憶の整理整頓、定着を行ったりしています。
そのため、本人の眠気のあるなしに関わらず、睡眠不足になると、身体に相当な負担がかかり、脳もうまくメンテナンスや情報、記憶整理が行えなくなって認知症リスクが高まると言われています。
実際に、最近、世界中の様々な研究機関によって、睡眠時間と眠りの質が脳の健康に大きく関わっていることが明らかになってきています。
2014年に発表された、シンガポールの「睡眠と認知機能との関係」調査では「睡眠時間の短い高齢者は脳の老化が早い。」という結果が報告されました。
2013年、アメリカの大学の研究では、なんとアルツハイマー型認知症の原因となる「アミロイドベータたんぱく」などの有害な物質が、睡眠によって洗い流されてしまう可能性があると発表しています。
気持ちよく眠るだけで、どんどん脳は健康になるのですからこんなにうれしいことはありません。充分な『眠』(睡眠)が取れる規則正しい生活習慣をぜひとも心がけたいものです。
ぜひとも「話・食・動・眠」を取り入れた生活習慣を身につけて、みなさんがいつもでも元気に自分らしく、充実した高齢ライフを過ごされることを願ってやみません。
ご愛読ありがとうございました。